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政策の一致がない政党合併は支持されない

28日の通常国会召集を前に、野党第一党である立憲民主党と第二党の国民民主党のせめぎあいが激しくなっている。国民民主党の玉木代表と自由党の小沢代表が両党の合流も視野に衆参両院での統一会派結成を合意、一方で立憲民主党も参議院で社民党との統一会派結成に合意した。

 

一連の動きを作ったのは自由党共同代表の小沢一郎氏で、一部報道によると小沢氏はもともと立憲民主党と自由党の統一会派結成を要請していたのだが立民側の反応は非常に冷淡で、以後、橋下徹氏や国民民主党の前原誠司氏と会談したり、国民民主党・自由党・社民党の統一会派を目指したりするなど、立民と距離を置く言動が多くなったようである。さらに国民民主党の玉木代表側も、参議院選挙を前に一向に党勢が改善しない焦燥感から必死に次の一手を模索していたようである。

 

今回の合意は後がない両者の利害が一致したことによるものだろうが、そもそも自由党は脱原発を最も重要な主要政策の一つとして掲げていたわけで、脱原発を拒絶する電力総連や脱原発に後ろ向きな製造業系労組に支えられた国民民主党と本来は政策が一致するわけがない。小沢氏の脱原発は所詮パフォーマンスであり、小沢氏は両党が合併し幹事長の座に就くことにより「権力とカネを再び手にしたいだけだ」という批判が生じるのは当然だ。仮に両党が合併し、表向き国民民主党内で脱原発推進の合意ができたとしても、結局は労組が足を引っ張って実質的には骨抜きになることは目に見えている。そういう曖昧さこそ旧民主党・民進党が崩壊した最大の原因である。

 

また、一部の政治評論家がまことしやかに国民・自由と橋下徹氏の連携という噂を流しているが、無責任な話である。安倍首相と近い橋下氏が安倍首相に喧嘩を売ってもリベラル派からの支持が得られるわけがないし、リベラル派を含まない野党では選挙に勝てないのは一昨年の衆議院総選挙の結果を見れば明らかである。仮に万が一実現したとしても、政策もバラバラだし、気が短い壊し屋同士が集まったとしてもすぐに喧嘩別れするのは目に見えている。政策の一致がない権力欲だけの野党再編が支持される訳がない。永田町関係者やネタを探している政治評論家にとってはエキサイティングなことかもしれないが、国民はそうした野党再編にうんざりしている。政策の一致もなく「反安倍」というだけでは政権再交代は不可能だ。

 

「権力の掌握」こそ小沢氏の行動原理であり、小沢氏は権力掌握のためには手段を択ばないのは明らかだ。しかし、彼は一旦掌握した権力を握り続けるの得意でないと言える。毎回、強引な政治手法が軋轢を生み、自ら軋轢を拡大させた挙句に権力闘争に敗れ、かつて自分が権力を掌握した政党を破壊しようと試みるのである。しかしながら、彼はどのような政策を争点化すれば一定数の支持を得られるのかは常に心得ている。なので、とりあえず新しい政党を作って、隙あらば他党と合併し徐々に権力を掌握することを常に考えているのだろう。

 

破壊と創造を繰り返しこそが小沢政治であり、今回も同じことを繰り返されることが予想される。しかしながら、多くの国民は既にそれによってどのような結果がもたらされるのか分かっており、彼が再び国民からの信頼を得ることは難しいだろう。おそらく、立民との統一会派が実現できなかったのも、民主党時代の経験も踏まえ立民側に小沢氏との本格的な提携への抵抗感が強かったからだろう。一方で、玉木氏がそのような小沢氏と提携しようと考えたのは、本当に後がないと思ったのとこれまで小沢氏との直接的な接触が少なかったのでアレルギーが少ないからかもしれない。そうだとしたら、それは小沢氏を甘く見ていると言える。仮に国民民主党と自由党の合併が実現しても、それは国民民主党の党勢拡大にも立民との提携にもつながらず、むしろ党の解体を早めることになるかもしれない。

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プロフィール

鈴木しんじ

Author:鈴木しんじ
1972年生まれ。

東京都中野区出身。

東京外国語大学外国語学部フランス語学科卒、慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程単位取得退学、東京工業大学大学院社会理工学研究科博士課程修了。

東京工業大学博士(理学)

千葉県議会議員、国会議員公設秘書を経験。慶應義塾大学SFC研究所上席所員。武蔵野大学政治経済研究所客員研究員。専門は政治経済学、公共経済学。

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