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GoToではなく発想の転換を

政府の新型コロナウイルス対策の分科会の尾身茂会長が、経団連主催のフォーラムにおいて「旅行自体が感染を起こすことはないですから、もしそれが起きていれば日本中は感染者だらけ」と言って政府のGoToキャンペーンを正当化した。しかし「ただ旅行先で飲み屋や接待を伴う店などで3密の状況になったり大声を出すなどの行動を取れば、感染の可能性がある」とも述べた。

 

しかしこれは変な話である。既に感染者は爆発的に増えてきている。そもそも、国内で急速に感染が拡大している状況にも関わらず旅行に行くという人は、コロナウイルスに対して警戒心が人より少ないと考えて不思議でない。であるならば、現在の状況でも、レストランや居酒屋、バーなどで飲んで楽しむことにあまり抵抗感がないと考えるべきである。そして、この人たちが旅行に出かけた場合、尾身氏は本当に彼らが夜、ホテルや旅館でおとなしく過ごすなどと考えているのだろうか?

 

とんでもなく楽観的である。人との接触や移動を避けてと言っていた人と同一人物とは思えない発言だ。安倍政権は何とか理由をつけてGoToキャンペーンを始めたいから、政権のいうことを聞く有識者ばかりを集めたがるのだろう。彼らとて、安倍政権の無能さは十分わかっているはずで、失政を公に批判しない自分は恥ずかしくないのかと言いたい。

 

政府が今やるべきことは、無理やり旅行を奨励することではない。東京を中心に再び感染が広がってしまったのは、首都圏や北海道で感染状況が十分に収まっていないのに急いで緊急事態宣言を解除したことと、その後夜の街を中心に徐々に感染が広がったにもかかわらず休業要請を行わなかったことが原因であると考えられる。感染が広がった業種に迅速に休業要請または休業指令が出来る体制(法整備)を構築することを怠ったつけが本日の東京都の新規感染者数286人である。感染が拡大してもこのまま放置したらアメリカの南部諸州やカルフォルニア州のように結局は休業要請を行わざるを得なくなる。

 

今やるべきことは、一日の感染者数をいつまでに何人程度まで抑えるのか具体的な目標を定め、感染の温床になっている業種に休業要請を出すなど経済活動に一定の規制を加えることだ。私には、外出時のマスクの義務化や適切な感染防止基準を満たした飲食店のみ営業を認めるとしなければ感染拡大を防げるとは思えない。また、仮に休業補償が実現したとしてもいつまでも政府が補償をできるわけでもないので、観光業や飲食業など打撃を受けている産業に関しては、事業の一時休業や従業員の一時帰休に関する制度を改良して従業員(経営側も)がコロナ禍が収まるまで一時的に他の産業で就労できる環境を整えるべきだ。休業中のテナントに対しても、契約関係の柔軟化を計る制度を作るべきだ。


無理に飲食業や観光業を生き返らせようとしても上手くいくはずはない。発想を変えて、飲食業や観光業から一時的に産業人口を移動させて経済を上向かせることを考えた方が賢明だ。

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プロフィール

鈴木しんじ

Author:鈴木しんじ
1972年生まれ。

東京都中野区出身。

東京外国語大学外国語学部フランス語学科卒、慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程単位取得退学、東京工業大学大学院社会理工学研究科博士課程修了。

東京工業大学博士(理学)

千葉県議会議員、国会議員公設秘書を経験。慶應義塾大学SFC研究所上席所員。武蔵野大学政治経済研究所客員研究員。専門は政治経済学、公共経済学。

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