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コロナ特措法、感染者減でも放置すべきでない

39の県で緊急事態宣言が解除され、残る8つの都道府県でも31日の解除に向けて公表感染者数は減少傾向にある。前回私が投稿してからかなり日数が経ってしまったが、これは安倍政権が休業補償を頑なに拒否しロックダウン法の制定も目指す意思がないことが明白になったので、事態の推移を見守っていたからである。その後、全国で新規感染者数が減少したことは幸いであった。

現在の調子が続くならば、新型コロナウイルス第一波に関して国内の感染は終息に向かうであろう。安倍首相の記者会見での自信の無さ、具体性の無さを振りければ、お世辞にも政権の対応は褒められたものだったとは言い難く、これまでのところ日本での死者数が欧米諸国と比べて圧倒的に少くすんだのは、政府の対応以外によるところが大きいだろう。

理由としては、日本では呼吸器疾患の治療が進んでいることやBCGワクチン接種率の高さなどが指摘されるが、やはり、国民の大多数が、外出を控えマスクをして手洗いを徹底するなど規律を守ったことが大きいだろう。玄関で必ず靴を脱ぐ習慣も、靴の底についたウイルスを家の内部に侵入させないのに有効である可能性が指摘されている。アメリカ、イギリス、フランスのニュースを見ていると、残念ながら日本では当たり前であることが守られていない映像をよく目にするので、日本人の規律の正しさや衛生観念は世界に誇ってよいことだと思う。

しかしながら、油断をすればすぐに感染が拡大するのがこのウイルスの怖いところである。政府は自分たちの失敗は棚に上げて国民には油断するなと言うが、これから経済活動を再開しなければならない訳であり、政府は国民一人一人がこのウイルスの性質をよく理解できるように分かりやすく説明する必要性がある。厚労省は5月4日に「新しい生活様式」の実践例を示したが、単に3密を避けるというだけではなく、新型コロナウイルスが人に伝染する仕組みをやさしく分かりやすく伝えた上で、感染を避ける上での日常生活のガイドラインを再提示すべきだと思う。

例えば、私が個人的に気になるのは、外で買い物をするときや荷物が家に届けられた時、品物や包装やビニール袋にはどれくらいの確率でウイルスが残存している可能性があり、それを避けるためには合理的な範囲内でどこまで気をつけるべきかということである。外食に関しても、人の多さ以外にも、日本国内のレストランでは箸やカラトリー(フォーク・スプーンなど)が箱の中に入れられているケースが多いが、これらを触ることによって感染が起こらないのか心配ではある。こうした疑問に、公的機関がQ and A形式で答えてくれると便利だ。

さて、仮に第二波が来た時に、急場しのぎで作ったコロナ特措法やそれに基づく自粛ベースの緩い「ソフトロックダウン」手法で乗り切れるのかは大いに疑問がある。緊急事態宣言下で、自粛要請の範囲等について国と都道府県が意見が対立しどちらが決定者なのか混乱が生じたことは非常に良くなかった。その一方、中央政府のリーダーシップの欠如と一部知事の奮闘の対比が際立ったが、緊急性があるものに関してはやはり国が主導権を持つトップダウン式の意思決定が行われるべきである。一段落しつつあるからと言って問題点だらけの現行法をそのまま放置すべきではない。

国と都道府県の指揮命令系統を明確化し、国の休業補償義務を明確にしたうえで、自粛ではなく「命令」が行える感染症対策の法律を作り、特措法と入れ替えるべきだ。私権の制限を可能にする法律を新たに作る場合は、恣意的な法律の運用が行われるのではないかという国民の懸念を払しょくすることが必要であり、安倍政権は検察庁法改正案に関して特例規定を盛り込もうとするなどという三権分立を脅かす恐れがある試みを行うべきではない。

最後に、ウイルスの脅威を無くすために欠かせないのはワクチン・特効薬の開発であり、日本政府は国内に対しても国際的にも十分な資金援助を行う必要がある。国際的な協調が最も必要な時期であるにもかかわらず、米中の指導者が自身の責任を転嫁すべく両国の対立をエスカレートさせている事は非常に嘆かわしい。恥知らずと言えばそれまでだが、喧嘩するのはワクチン・特効薬を開発した後にすべきで、日本政府は他のG20諸国などとともに両国に対して子供じみた喧嘩をやめるように促すべきだ。 
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プロフィール

鈴木しんじ

Author:鈴木しんじ
1972年生まれ。

東京都中野区出身。

東京外国語大学外国語学部フランス語学科卒、慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程単位取得退学、東京工業大学大学院社会理工学研究科博士課程修了。

東京工業大学博士(理学)

千葉県議会議員、国会議員公設秘書を経験。慶應義塾大学SFC研究所上席所員。武蔵野大学政治経済研究所客員研究員。専門は政治経済学、公共経済学。

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