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感染再拡大防止に背を向ける安倍首相と小池都知事

27日、東京都で一日の新規感染者数が57人となり、緊急事態宣言後の最多を更新した。このまま無策でいれば一日当たりの新規感染者数が100人を超えるのは時間の問題だろう。

東京都の小池知事は、感染者数の拡大は夜の街の関係者を含む積極的な検査の結果が一因にあると弁解している。しかし最大の原因は (1).東京都の緊急事態宣言解除が時期尚早だったこと、(2).感染者が増えて都が「東京アラート」なるものを発動したにもかかわらずすぐにこれを解除し「ステップ3」に進むなど、国と都が経済活動再開に重点を置くあまり感染拡大防止に手を抜いたことだろう。東京都での感染拡大の責任は安倍首相と小池知事に責任がある。私は、経済活動規制(自粛要請)に関する指標の厳格化、感染の抑え込みへの具体的な目標の再定義と行動計画、罰則を持った規制強化が必要だと考える。そして、これらの実行に本気で取り組む姿勢が見えない安倍・小池両氏は行政のトップにふさわしくないと考える。

都における新型コロナコールセンター相談件数は増えていないとの意見があるものの、PCR検査陽性率は徐々に上がってきている。また、神奈川県以外でも東京都への通勤者数が多い埼玉県・千葉県は感染者数が増え始めている。東京通勤圏内で市中感染者は再び増加しつつあると見るべきだ。経済活動と感染拡大防止を両立する必要があるのは理解できるが、問題なのは、感染が拡大しても政府(国や地方自治体)が ①.経済活動自粛要請の目安となる指標に対して恣意的な解釈を行っていること、②.感染の抑え込みに対して具体的な計画を持っているようには見えないこと、③.強制力を伴った規制の導入がまともに検討されていないことである。

①に関しては、国は、緊急事態宣言解除の目安の一つとして「1週間単位で新規報告数が減少傾向にある」ことを挙げながら、5月24日に都の新規感染差者数が前日から12人増の14人に増えたにもかかわらず、翌25日に8人と10人以下になったらすぐに緊急事態宣言を解除した。東京都は、6月11日に、新規感染者が22名で増加傾向にあるにも関わらず、「直近1週間平均で1日当たり20人未満」だからという理由で「東京アラート」を解除した。その後明らかに感染者が増加しているのも関わらず、積極的な検査を行っているから感染発覚者が増えたなどの言い訳をして「東京アラート」の再発動も行っていない。

経済活動規制(自粛)の指標の厳格化が必要であり、規制の解除に関しては、直前1週間内の平均が目標数値を下回っていることだけではなく、直前3日間の移動平均値が減少し続けている事、解除決定日の数値が目標数値を下回っている事を要件に加えるべきだ。さらには具体的な指標に対して「総合的な判断」を適用するのは禁止すべきだ。総合的な判断を行ったから基準となる複数の指標を設定しているのであり、その一つでも否定するのならばそもそもその指標には妥当性がなく自己否定である。指標の値が厳しすぎるのであれば変更すべきだ。以上を適用して指標の厳格化を行えば政治家が恣意的な解釈を行う余地は減少する。もちろん現状でも、直近7日間平均新規陽性者数が1日あたり50人という都の自粛再要請の基準を適当な理由をつけて反故にすることは許されない。

②に関しては①に関連することであるが、国は緊急事態宣言解除の目安の一つとして「直近1週間の新規感染者数が人口10万人あたり0.5人未満程度」を挙げていた。また、都は、都内の外出自粛や休業要請の解除・緩和に向けたロードマップ(行程表)において「直近1週間の新規感染者数が1日20人未満」を規制緩和の目安としている。これらを目標とするならば、安倍首相も小池知事も、目標の水準に戻そうという明確な意思と経済活動と両立させながらそれを実現するための綿密な計画を持っているとは思えない。

前述の都のロードマップを見てみると、「東京アラート」発令に関してロードマップ通りに運用が行われていないことに加えて、段階的に規制を解除していくことに力点が置かれ過ぎている問題点がある。感染が再拡大した場合、どのような基準でどの業種に対してどのような規制を含む対策を行うのか明確でない。また、段階ごとに感染再拡大リスクは異なるはずで、ステップ3に移行して感染が爆発した場合、単にステップ2に戻せば新規感染が減少するとは思えない。より多くのケースを想定し、計画をより綿密にすべきだ。

そもそも、綿密な計画は国が最初に行うべきであり、権限主体が都道府県であるというコロナ特措法の性質を放置して地方任せにすべきではない。新型コロナウイルス感染症のように伝染力が強い疫病への対策に関しては、本来国に大きな裁量権が与えられるべきである。急ごしらえで作った「コロナ特措法」においては休業要請は都道府県の権限だったはずだが、都道府県が事業者に行った休業要請に対し国が度々介入して問題になった。特措法が運用面や実効性など批判が強いにも関わらず、安倍首相が同法を改正したりこれに代わる法律の制定を目指す意思を一向に見せないのは大きな問題である。

③については、特措法が休業命令と休業補償の関係で特措法が問題があるのは言うまでもない。しかし、休業関係以外の命令に関しても、義務化を行うのが妥当と考えられるものがある。首都圏・関西圏などで通勤客が戻っているにも関わらずマスクをしないで電車に乗る人が一定数いるのは事実であり、飲食店で店によって感染防止対策に大きなばらつきがありマスクさえしていない従業員がいる店が散見される。さらに、ホストクラブやキャバクラの現状は分からないが、強制力無しに都が要請するレベルでの感染予防対策を徹底できるとは到底思えない。

公共交通機関・公共施設でのマスク着用義務、飲食店における感染防止対策の義務化は、現行憲法に抵触するものではないだろう。もしそうならば、食品衛生法や風営法、飲酒運転を取りしまる道路交通法などは一体どうなるのか? 感染防止策が法律により義務化されていないことが感染者を増やすことは十分考えらえる。感染防止策義務化についても国会で話し合われるべきだったのに、スキャンダル逃れのために国会を閉会した安倍首相の愚行は許されるべきではない。
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プロフィール

鈴木しんじ

Author:鈴木しんじ
1972年生まれ。

東京都中野区出身。

東京外国語大学外国語学部フランス語学科卒、慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程単位取得退学、東京工業大学大学院社会理工学研究科博士課程修了。

東京工業大学博士(理学)

千葉県議会議員、国会議員公設秘書を経験。慶應義塾大学SFC研究所上席所員。武蔵野大学政治経済研究所客員研究員。専門は政治経済学、公共経済学。

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