FC2ブログ

ロンドン市長選候補、五輪代替開催提起は火事場泥棒

ロンドン市長選挙に保守党公認候補として出馬する予定のショーン・ベイリー氏が自らのツイッターにツイッターに以下のような投稿をし、代替開催に意欲を見せている。

「ロンドンは2020年にオリンピックを開催できます。我々にはインフラと経験があります。コロナウイルスの大流行により、世界は我々が一歩踏み出すことを必要とするかもしれない。市長として、私はロンドンが呼びかけに答え、オリンピックを再び開催する準備ができていることを明確にします。」

このコメントはすでに大きな反発を呼んでいるが、非常に浅はかで失礼千万だ。そもそも、ダイヤモンド・プリンセス号はイギリスのP&O社が所有し、船籍はイギリスである。船内での新型コロナウイルス感染の第一義的責任は、所有者と運行会社(これはアメリカの会社)にある。イギリスの船で感染が起きたことにより日本中が大変なことになっているのに、イギリス人としてよくそんなことが言えるなというが正直な気持ちだ。

さらに、ロンドンは2012年に五輪を開催したばかりなのに、そこまでして注目を浴びたいのか、保守党には今では様々なバックグランドを持った政治家がいるのに、なぜこのような時代錯誤的・自国中心主義的な主張をするのかとその強欲さに呆れる。

最後に、五輪開催の時期にロンドンで新型コロナウイルスが蔓延していない保証はない。その可能性も考慮できないような人間は市長候補者として失格である。

五輪を東京で開催できるか否かはここ一ヶ月くらいが勝負だと思うが、仮に今年の夏に開催できなかったとしても、それは日本政府の責任とは言えないだろう。個人的には日本政府のダイヤモンド・プリンセス号に対する対応は間違っていたと思うが、同じような状況で他国の政府だったらもっと上手くやれるという保証はない。日本政府は来年以降も含めて開催時期をずらすことを堂々と主張すべきで、もともと日本が発信源でないコロナウイルスの問題で開催を放棄すべきはない。私は元々五輪には熱心な人間ではないが、そんなことをしたら不等な欧米中心主義に屈したとして後世に汚点を残すので、開催返上には大反対だ。
スポンサーサイト



クルーズ船、単なる「入国拒否」は事態を悪化させるだけ

新型コロナウイルスによる肺炎の拡大の影響で、日本を含む中国近隣諸国・地域がウイルス感染の可能性がある乗客が乗船しているクルーズ船の入港を拒否したことが非難を浴びつつある。

ウイルス感染が拡大しているこの状況で、中国近隣地域においてクルーズ船の運航を続けようとした運営会社の対応に問題があったのは確かだろう。しかしながら、日本を含む中国近隣諸国がこれらの船の入港を「単に拒否」するだけというのは、乗員・乗客を見殺しにすることに他ならない。クルーズ船は通常、燃料と食料を寄港先で調達する。しかしながら、食料は一週間か10日間で無くなるとのことである。さらに、すでに新型肺炎を発症した患者が存在すれば、どこにも入港できなければ船内で感染が拡大するのは目に見えている。安倍政権がウエステルダム号の入港を「単に拒否」したことに、ネット上では好意的な意見が多いようであるが、それは自己中心主義でしかない。

中国近隣地域・諸国に関しては、まず、この地域での新規のクルーズ船運航を当面禁止するとともに、既に航海中の船に関しては、入港受け入れの分担など国際的な連携を行うことがが必要だ。クルーズ船の乗員・乗客に関しては、全員をすぐに入国させることは難しいのだろうから、まずは港に停泊させて、感染が疑われる人から緊急搬送し、その後できれば全員に検査を受けてもらうことが重要だろう。国連やWHOは、公正な受け入れ分担のルールと受け入れ後の望ましい措置について、早急に提案すべきだ。


安倍政権の今回の対応は、自国民のことだけしか考えておらず、公正な世界秩序の形成に積極的役割を果たすことを考えていないスケールの小さいものだ。野党は、新型コロナウイルス拡散防止のために日本が果たすべき役割について、国会で政府を追及すべきである。もっとも、安倍政権自身が、クルーズ船への受け入れ対応について近隣諸国、国連やWHOと早急に協議すべきなのは言うまでもない。

プロフィール

鈴木しんじ

Author:鈴木しんじ
1972年生まれ。

東京都中野区出身。

東京外国語大学外国語学部フランス語学科卒、慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程単位取得退学、東京工業大学大学院社会理工学研究科博士課程修了。

東京工業大学博士(理学)

千葉県議会議員、国会議員公設秘書を経験。慶應義塾大学SFC研究所上席所員。武蔵野大学政治経済研究所客員研究員。専門は政治経済学、公共経済学。

最新コメント

カテゴリ

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR