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「対案型野党」など意味がない

民主党および民進党を見事に破壊してくれた前原誠司氏のモットーは「対案路線」だった。しかし、こんなことを目指しても「ゆ党化」して党の存在意義が曖昧になり、破綻するのは目に見えている。しかしながら、前原氏に騙された挙句に元の民進党を再統一しようと考えている「国民民主党」所属議員たちは未だにこのことがよく分かっていないようである。

野党が対案として提示すべき政策というのは、与党は絶対に飲めないが将来的に国民の大多数にとって利益をもたらす政策である。政策を実現できるのは野党ではなく与党である。
仮に良い政策を提案したとして、それが与党にとってすぐに取り込めるような政策であったら、実現したとしても政権の手柄として宣伝されるのがオチである。野党の仕事は与党を追及することであって与党を助けることではない。野党は、野党の賛成がなければ成立せずそのことが国民生活全般に重大な影響を与える法案がある場合には、これに賛成すべきである。また、そうしなければ国民からの支持も下がるだろうが、基本は与党を徹底的に追い込み政権交代の実現を求めるべきである。

政権を擁護する保守系マスコミは「何でも反対の野党」と掻き立てるが、与野党間の対立が激しかった昨年の通常国会でさえ、民進党は8割の法案に賛成、共産党は1/3に賛成だったが近年は6-7割で推移していた。野党が何でも反対というのは真っ赤な嘘である。野党の国会審議拒否についても保守系マスコミは職場放棄だと盛んに批判していたが、何を隠そう自民党の野党時代の審議拒否は現野党のことを言えないレベルだった。また、民主党が参議院で過半数を割ってからは、問責決議を連発したり東日本大震災発生後わずか三か月後に菅内閣の不信任案を提出したりと、まさに政権を取り戻すためには手段を選ばなかったと言えるだろう。

審議拒否自体はあまり褒められた行為ではないかもしれないが、制度的に許容されている以上、野党がそれを政権を追い込むための手段として使うのは防ぎようがない話である。どうしても審議拒否をやめさせるというのならば、制度的に審議拒否ができないようにするか、国会の会期制を廃止し審議拒否にメリットがないようにするかどちらかしかない。個人的には制度的に審議拒否を認めないようにするというのは難しく、国会の会期制を廃止するというのが現実的な改革案だと思うが、それが実現することによって最も不利益を被るのは安倍政権である。モリカケ問題に対する野党の追及を避けるために、臨時国会を開会しなかったり衆議院まで解散したような安倍政権が、自らの首を絞めるような制度改革に前向きだとは思えない。

野党はモリカケ問題の追及をやめるべきではないし、これは安倍政権がまいた種である。しかしそれだけでは政権が取れるとは思えないので、野党は絶対に安倍政権では実現できない「脱原発の日本経済発展構想」を共通公約として提示すべきだろう。脱原発に難色を示す製造業系労組から支援を受ける国民民主党がそれに乗るとは思えないが、国民民主党に妥協すれば、野党全体が民進党化してしまうだけである。また、都道府県レベルで旧民進党の再統一を目指す動きがあるが、野党支持者が望むとは到底思えない。もしそうならば、国民民主党の支持率は少なくとも旧希望の党と党分裂後の旧民進党の合計よりも高くなっていなければならない。旧民進党の再統一は、むしろ投票先の選択肢を奪うものとして拒絶されるだろう。








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プロフィール

鈴木しんじ

Author:鈴木しんじ
1972年生まれ。

東京都中野区出身。

東京外国語大学外国語学部フランス語学科卒、慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程単位取得退学、東京工業大学大学院社会理工学研究科博士課程修了。

東京工業大学博士(理学)

千葉県議会議員、国会議員公設秘書を経験。慶應義塾大学SFC研究所上席所員。武蔵野大学政治経済研究所客員研究員。専門は政治経済学、公共経済学。

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