2022/03/04
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政治・経済のニュースをとりあげます
2022/03/04
2022/02/28
2月24日にロシアがウクライナに侵攻を開始して以来、ロシアのプーチン大統領(以下、プーチン)は世界中から厳しい批判を浴びています。ほとんどの日本人は、プーチンの蛮行を厳しく非難していますが、一部の人たちは「ウクライナにも非がある」、「NATOはロシア包囲網であり、東方拡大をしたのが良くなかった」などど、プーチンの行動を擁護するような言動をしています。さらに、ウクライナがNATO加盟をあきらめ、NATOもウクライナの加盟を拒絶すれば事態は変わるなどと考えている人もいます。
しかし、このような意見は本質を分かっていないとしか言いようがありません。プーチンの目標は自身が支配する帝国をできるだけ拡大することです。彼は現在69歳ですが、残りの政治生命を考えた場合、できるだけ早く行動しないと旧ソ連レベルの大国を作る(復活させる)ことは無理なので、コロナ渦やアメリカのバイデン政権がアフガン撤退で醜態をさらした今がチャンスと思い決断した可能性があります。彼としては力による世界征服ができればそれに越したことはなく、自身の野望が欧米に潰されるのならば、血がつながった後継者もいないことから、核戦争で世界を道づれにしても構わないと考えている節があります。
そのように考えると、プーチンはヒトラーと同じであり、ヒトラー相手に交渉で解決できるなどと考えているのは非常に甘いと言わざるを得ません。仮にプーチンがそこまで考えていないにしても、捨て身で行動していると想定するのは妥当であり、「彼が自分と世界を亡ぼしても構わないと考えている」と想定して手段を考えることに何ら問題はありません。
プーチンという相手が自身と世界の破滅を覚悟で捨て身の戦いに挑んできているので、事態はとんでもなく厄介であり、ウクライナを彼の思い通りになるようにすれば解決するものでは到底ありません。次はポーランド、モルドバ、バルト三国、その次はフィンランド、スロバキア、ルーマニア、ハンガリー、その次はチェコ、ブルガリア、スウェーデン、そしてドイツと際限なく要求を拡大させるでしょう。こういう相手に対して「NATOはウクライナから今回の戦争を引き取って、5核保有国でしっかり話し合って解を見つけてくれ。NATOにも日本にもきれいごとばかり言う学級代表的な政治家しかいないのか。」などと言っている橋下徹をテレビ局はゲスト出演させるべきではないです。きれいごとを言っているのは橋下本人で、愚の骨頂としか言いようがありません。
さて、どうすればよいのかについては、プーチンをできるだけ早く権力の座から引きずり下ろすことが唯一の根本的な解決策です。他国が被害を受けないためには、ロシア内部からの動きでプーチンの追放が行われる必要があります。一番手っ取り早いのは政権内部で動きが起きることですが、政権内部からの動きにせよ軍や民衆からによるものであるにせよ、ロシア国民に「今すぐプーチンを権力から引きずり下ろさなければ、自分たちの将来が大変なことになる」と認識させる必要があります。
西側とプーチンの戦いに関してはチキンレースになる方向性が強いですが、早い段階で彼が国内政治に忙殺され、チキンレースを脱落せざるを得ない状況を作り出すことが重要です。チキンレースは弱みを見せれば負けます。ロシアのSWIFT排除など強力な制裁はこちらも返り血を浴びる措置ですが、ロシアで反プーチン機運を高めるのには必要であり、西側諸国のリーダーは国民に理解と連帯を強く求めるべきです。ウクライナは非常に厳しい状況ですが、北京パラリンピックまで持ちこたえれば明るい兆しが見えてくるかもしれません。西側は軍事・サイバー両面で間接的にでも最大限ウクライナを支援すべきです。
最後に日本に関しては、右派から憲法改正や核保有または核共有を行うべきとの声が強まり、それに反対する左派との間で世論の分断が起きつつあります。私はもともと立憲主義的な憲法改正自体には賛成の立場ですが、安倍政権などこれまでの自民党政権による統治により憲法9条は骨抜きにされ、軍を持たないはずの日本が世界5位の軍事力に位置付けられているという奇妙な現状を考えれば、今「9条改憲」をテーマにした政治闘争をやることは国力をそぐだけであまり意味がないと考えています。それこそ中露の思うつぼです。核保有または核共有に関しては、唯一の被爆国家で日本は本来核廃絶を訴えるべき立場にあることを抜きに考えても、アメリカの核の傘に入っている現状でどれだけ抑止効果が上がるのかをしっかり再確認してから議論すべきです。いずれも、今、日本を守るために本当に足りないものは何かを再確認して、防衛力の強化を冷静に進めるのが本筋です。
追記:プーチンがNATOに対して強い反感を感じているのは彼の個人的な性格や経験に基づくところが大きいとも考えられます。NATO加盟国である日本以外のG7メンバーは、これまでずっとロシアに敵対的な態度を取ってきたわけではありません。2002年にNATO19カ国にロシアを加えたNATO・ロシア理事会(NATO20)が設立され、ロシアはNATO準加盟国ともいわれたこともあり、2014年のクリミア併合以前は、ロシアはG8のメンバーでした。
NATOによってロシアの安全保障が脅かされているというのであればNATOに入ればよいし、G8に留まりたければ強引にクリミアを併合しなければよかったのです。単に、ロシア連邦の最高権力者であるプーチンが民主主義・人権という西側の価値観を拒絶し、西側と同化することを拒絶しただけです。そして、自分がすべてを支配する旧ソ連の後継国家を最低でも旧ソ連に匹敵するレベルまで拡大するという野心を実現するために、手段を選ばなくなっただけです。どのようにして彼の人格が育成されてきたのかについては諸説ありますが、幼少期の家庭環境、KGBでの活動、ソ連崩壊によってKGBを退職せざるを得なくなった屈辱感などが大きな要因になったことは容易に想定できます。
2022/02/08
2022/01/14
私が代表を務める社会民主進歩党は新型コロナウイルス・オミクロン株への感染が爆発的に広がっている状況を憂慮し、「新型コロナウイルス・オミクロン株対策に関する提言」を発表しました。以下、その内容となりますので、ご一読ください。
「新型コロナウイルス・オミクロン株対策に関する提言」
新型コロナウイルス・オミクロン株の日本国内での感染が爆発的に広まっている。オミクロン株に関しては、感染力がこれまでに比べて圧倒的に強い一方で感染した場合に軽症で治まる傾向があることから、政府にはこれまでとは異なる対応が求められるのは言うまでもない。
しかしながら、岸田政権の対応は、水際対策の強化などを除いて前例踏襲的であり、安倍-菅政権の失敗が生かされていないと言える。オミクロン株の圧倒的な感染力と症状の軽症化傾向を考えれば、政府高官やエッセンシャルワーカーを含む全ての人がオミクロン株に感染しうることを前提にして、日本在住民の命を守りながら社会機能を止めないようにする最大限の努力が必要である。
以上を考えれば、まん延防止等緊急措置や緊急事態宣言の導入、これに基づく飲食店等への時短・休業要請に頼った感染防止策はもはや合理的とは言えない。政府は、他の先進諸国と比べても圧倒的に不足している検査数を飛躍的に増加させながら、より科学的でデジタル化を進めた効率的な対策を行うことにより、重症者・死者の最少化と経済活動への影響の最小化を目指すべきである。そのために必要な対策として、私たちは以下の項目の実施を提案する。
以上
2021/12/30
今年も残すところあとわずかとなりましたが、オミクロン株への感染が広がりつつあります。オミクロン株に関して簡単にまとめると以下のようになるでしょう。
以上から、総合して考えれば、オミクロン株に対しても引き続き感染拡大抑止を行っていくことが妥当である一方で、オミクロン株感染者に対して全員入院・濃厚接触者もホテルなどで健康観察という現在の対応は見直されるべきであり、重症度で入院判断すべきという専門家の提案は妥当性があります。
オミクロン株は非常に感染力が強いので、飲食店等に関しては、入店時の検温とアルコール除菌以外に適当にアクリル板を設置しているだけという現状の感染防止策では全く歯が立たなくなることは目に見えています。感染している人を店内に入れないようにするしか有効な感染抑止策はなく、それにはワクチンパスポートアプリを国民全員が利用できる状況にするしかないのではないでしょうか。
ここで、ワクチンがもはや感染を防ぐ効果がないのに何でそんなものを普及させたがるのだという声があるのはごもっともです。困ったことに、デジタル庁が発行している接種証明アプリは接種証明だけを記載するものであり、PCR検査や抗原検査による陰性証明は記載する機能はないようです。早急に接種証明以外に確認できる項目を増やすことが必要であり、ワクチン接種履歴以外にも検査履歴を記載できるようにしなければ意味がありません。
そのうえで、フランスやイタリアなどでのワクチンパスの導入実績と問題点を参考にすると、①直近3日以内に受けたPCR検査の結果が陰性であること、または②ワクチン2回接種証明と24時間以内に受けた抗原検査の結果が陰性であることを飲食店入店許可の条件とするくらいのことをやらなければ、飲食店等を通じたオミクロン株の感染拡大を防ぐのは難しいと思います。
導入まで半年もかかりそれまで他国の運用実績をいくらでも参考にできたはずなのに、デジタル庁が発行しているアプリは、接種証明だけしか記載しない・マイナンバーカードを保有していなければ使えない(しかも旧姓併記のマイナンバーカードは使えない)という致命的な欠陥があります。
先日も言いましたように、デジタル庁がどうしてこのような間抜けなことをやっているのかといえば、彼らはワクチンパス導入の目的が感染抑止であることを理解できておらず、マイナンバーカードという「ハード」を普及させることが目的であると勘違いしているからです。さらに、岸田首相自身がワクチンパスの重要性を理解していないので、デジタル庁の非効率さが放置されています。これは大変由々しき状況です。接種証明アプリについては、早急に①マイナンバーカードなしでも利用できるようにする、②PCR検査や抗原検査結果を記載できるようにするよう岸田首相はデジタル庁に指示すべきです。さらに、全国どこの自治体でも無料でPCR検査を受けられるように体制を整えるべきです(これが非常に重要です)。
年末年始を通じてオミクロン株への一気に感染が拡大することは必至であり、今の英仏の状況が2か月後に日本にならないかと心配です。政府の対応に問題がある以上、第6波を第5波ほど大きいものにしないようにするためには個人の努力が欠かせません。感染対策をしっかりして良いお年をお迎えください。
Author:鈴木しんじ
政治団体「社会民主進歩党」代表
慶應義塾大学SFC研究所上席所員。武蔵野大学政治経済研究所客員研究員。
学問の専門は政治経済学、公共経済学。
東京外国語大学外国語学部フランス語学科卒、慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程単位取得退学、東京工業大学大学院社会理工学研究科博士課程修了。
東京工業大学博士(理学)